
このページでは、電験1種に独学で合格した著者が第三種電気主任技術者の
1.2025年度試験概要(受験資格、申し込み方法、試験日、試験時間、試験会場など)
2.独学で合格できる勉強方法
を紹介しています!
電験3種 試験概要
受験方式
電験3種の受験方式は、2種類あります。
CBT方式
電気技術者試験センターではこちらを推奨しています。
【特徴】
・試験会場、試験日時が選択・変更可能(上期下期の試験期間25日間で都合のいい時に受験可能)
・全国の試験会場にあるテストセンターのコンピュータを使って受験する
筆記方式
【特徴】
・従来の試験方式:全国の試験会場で受験
・試験日時が決まっている(上期下期でそれぞれ1日ずつ)
受験資格
誰でも受験できます!
ですから、高校生でも、女性でも、大学卒業していなくても誰でもOKです。
また、電験は、3種、2種、1種と分かれていますが、 いきなり2種を受けることも出来ます!!
受験申込方法と受験手数料
申し込み方法:原則、インターネット
受験手数料:7,700円(非課税)
他に事務手数料(振込手数料)が別途必要。
※2024年度より受験申込方法は、原則インターネット申込みのみになりました
2025年度申込期間と試験日
上期
申込期間
2025年5月19日(月)10時 ~ 6月5日(木)17時まで
上記期間になりましたら、こちらから申込が可能です。
※CBT方式、筆記方式共に同じ期間です
試験日
CBT方式
2025年7 月 17 日(木)~8 月 10 日(日)(25 日間)
筆記方式
2025年8 月 31 日(日)
下期
申込期間
2025年11月10日(月)10時 ~ 11月27日(木)17時まで
上記期間になりましたら、こちらから申込が可能です。
※CBT方式、筆記方式共に同じ期間です
試験日
CBT方式
2026年 8 年 2 月 5 日(木)~3 月 1 日(日)(25 日間)
筆記方式
2026年 3 月 22 日(日)
試験時間
- 理論 90分
- 電力 90分
- 機械 90分
- 法規 65分
※法規だけ65分です。
各科目 試験内容
公表されている4科目の試験内容。
理論
電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの
電力
発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料に関するもの
機械
電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理に関するもの
法規
電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理に関するもの
試験会場
試験会場は、毎年同じ場所とは限りません。
また、試験会場の指定は出来ません。
試験地のみ受験申込み時に選択することが出来ます。
試験地は、以下が対象となります。
- 北海道地区:札幌市
- 東北地区:岩手県、宮城県、山形県、福島県、新潟県
- 関東地区:栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(23区)、東京都(多摩)、神奈川県
- 中部地区:長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県
- 北陸地区:石川県
- 関西地区:滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県
- 中国地区:岡山県、島根県、広島県、山口県
- 四国地区:香川県、愛媛県
- 九州地区:福岡県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県
- 沖縄地区:沖縄県
合格点及び合格基準
合格点は、各科目全て60点以上/100点です。
ただし、年度ごとに、問題の難度によって、合格基準が引下げ(調整)られる場合があります。
解答速報により、自己採点が出来たところで、60点以上の場合は、合格確定です!ので安心ですが、55点があったときは合格基準点の調整が気になると思います!
合格基準の発表は、試験から約2か月後に一般財団法人 電気技術者試験センターのHPで発表されます。
合格までの流れ
電験3種は、科目合格留保制度を設けています。
これを利用することで、「3年間で4科目に合格」することが出来れば、念願の「電気主任技術者3種」の免状を取得することが出来ます。
それでは、科目合格留保制度について、細かく説明して行きましょう。
まず、科目とは、「理論」・「電力」・「機械」・「法規」の4科目のことを指します。
この4科目の内、1科目でも合格するとその科目合格留保され、翌年度と翌々年度は受験が免除されます。
これを繰り返して、3年の内に4科目全て合格すればOKとなります。
要点は、2点だけです。
- 合格科目は、合格した年「+1年後」と「+2年後」は受験不要
- 合格した年「+3年後」はリセットされ、再受験が必要
4科目が同年に全て合格するまでループされます!
電験3種 勉強方法
勉強する全体の流れ
それでは、電験3種の勉強方法を順を追って解説していきます。
まず始めに、電験3種の勉強全体の流れを知ってください。
全体流れのイメージを知ることが重要です。
「参考書で基礎力・理解力をつける」
↓↑
「過去問で実力確認・応用力・弱点克服をする」
↓↑
「過去問の理解不足・弱点問題を参考書で復習」
↓↑
「過去問を繰り返し解いて実力をつけていく」
これをイメージして勉強します。
電験3種 勉強する順番
次に、勉強する順番を説明します。
順番どおりに勉強することで、「効率良く」勉強することが出来ます!
結論から言うと、以下の順番になります。

順番の理由
なぜこの順番で勉強する必要があるのか理由を説明します。
電験の試験科目は4科目
【理論】【電力】【機械】【法規】
が、あります。※ちなみにこの順番は、試験当日の試験の順番です。
これに、試験科目にはありませんが、
【数学】
を勉強する必要があり、この数学は、【理論】に必要な基礎知識となります。
そして、理論は他の科目の基礎になります。
また、他の科目もそれぞれの科目の基礎になるので、それぞれを効率よく勉強できるように順番を組み合わせると以下のようになります。
- 【理論】:【数学】の知識が必要
- 【機械】:【理論】と【数学】の知識が必要
- 【電力】:【機械】と【理論】と【数学】の知識が必要
- 【法規】:【電力】と【機械】と【理論】と【数学】知識が必要
これを整理すると先ほどのイメージ図になります。
ですから、図の左から右への順番通りに勉強すれば、一番効率よく勉強できることが証明されます。
科目合格を目指す方はであれば、
- 数学(数学が得意であれば不要です)
- 理論
- 過去問
という順番で勉強していきます。
試験問題の種類と勉強のポイント
次に、「試験問題の種類」について説明します。
各科目の試験問題には、
- 「計算問題」
- 「論説問題」
の2種類があります。
計算問題とは
計算問題とは、「公式等を使用して計算を行い、計算結果として答えを出す問題」のこと。
出た計算結果を5個の選択肢の中から回答を選び、マークシートに記入します。
勉強のポイント
計算間違いをしない!
当たり前ですが、これが一番のポイントです。
参考書だけを読むだけでは、試験本番では絶対に解けません。
普段から、しっかり紙で計算式を書き、また電卓を操作するなどの練習をしましょう!
論説問題とは
論説問題とは、「質問に対して、記述で書かれた選択肢の中から一つを選択して解答する問題」のこと。
正誤判断や穴埋めなどもあります。こちらもマークシート式です。
勉強のポイント
幅広く覚えること!
これが一番のポイントです。色々な知識を問われますので、関連付けて覚えるとより効果的です!
勉強方法 参考書編
各科目の参考書を揃える
まず、勉強を始める前に参考書を準備します。
電験3種で参考書で購入が必要なのは大きく2つです。
- 「絶対必要」な参考書:各科目の参考書
- 「必要に応じた」参考書:電気数学、要点整理(重要な用語や公式のまとめ本)

筆者がおすすめの各参考書を皆さんのレベルに合わせて、以下で紹介していますので参考にしてみてください。
勉強の流れと勉強科目の順番
「勉強の流れ」について
それぞれの参考書で内容は違いますが、やることは同じです。
各項目・各分野で勉強する流れは、
- 参考書を理解する
- 例題を解く
- 問題を解く
これの繰り返しを行います。
各項目・各分野において、上記の繰り返しで勉強し、しっかり理解を深めていってください!
各科目勉強方法
それでは各科目ごとの勉強方法をお伝えします。
数学 勉強方法
電験3種の参考書は、数学が理解できている前提で書かれていますので、数学を知らないと解くことが出来ません。
電験3種の根本になる重要な部分ですので、しっかり数学を理解しましょう!
なお、数学が得意な方はこの数学の部分は飛ばしてください!
最初は、「数学参考書」の順番通りに、軽く理解できる程度で勉強してみてください。
次に、次の段階である「理論の参考書」を勉強します。
途中、数学で分からなくなったら、その部分を「数学の参考書」で再度勉強して徐々に理解を深めて行ってください。そして、理論の参考書が一通り終われば、再び数学の参考書を深く勉強します。この方が、「どこが重要」か分かった上で勉強出来る為、非常に効果的です。
理論 勉強方法
基本的に、
- 参考書を理解する
- 例題を解く
- 問題を解く
の繰り返しで、以下の目的を持って勉強してください。
1周目の目的
・全体を把握すること!分からなくても手探り状態で、一通りやってみる。
2周目の目的
・分からない所を徹底的に理解する!
3周目以降
・本当に理解できている所、出来ていない所を明確に洗い出す!
理論問題の出題割合
計算問題 約8割
論説問題 約2割
計算問題の割合が大きいので、計算問題が解けるかどうかが、合否に大きく関係してきます。
各種の公式は、例題や応用問題を解くことでしっかり覚えていきましょう。
覚えにくい公式は、内容と関連付けて覚えたり、語呂合わせで覚えたり、
自分のスタイルを身に着けましょう。

ポイントは
ひたすら「書いて」、ひたすら「覚えて」、ひたすら「問題を解きまくる」
です!
機械 勉強方法
基本的に、「理論」の所で書いてある「繰り返し内容」と「目的」を持って勉強してください。
また、機械は「勉強範囲がすごく広い」ので、過去問で良く出題される分野を徹底的に勉強し、理解を深めてください。
機械問題の出題割合
計算問題 約5割
論説問題 約5割
計算問題も、論説問題も半々で出題されるので、
- しっかり計算することも大事
- 理解して知識化することも大事
です。
少し話がそれますが、機械は、一番難しい科目として有名です。
理由は、「勉強範囲の広さ」と「理解しづらい点」ではないかと思います。
実際に、私も2年目に機械のみを半年かけて勉強し、合格できましたが、65点しか得点することが出来ませんでした。
私は、その当時、「変圧器」「電動機」「発電機」など見たことが無かったので、全くイメージできず、参考書の書かれている内容を無理やり頭に詰め込んで、勉強した苦しかった思い出が残っています。
その当時に新電気を知っていれば、イメージが出来る分、勉強も楽だったと思います。
電力 勉強方法
基本的に、「理論」の所で書いてある「繰り返し内容」と「目的」を持って勉強してください。
電力問題の出題割合
計算問題 約4割
論説問題 約6割

論説問題は、「水力発電」や「火力発電」などしっかりイメージが出来るかどうかがポイントです。図やイラストと一緒に覚えましょう!
法規 勉強方法
基本的に、「理論」の所で書いてある「繰り返し内容」と「目的」を持って勉強してください。
【法規問題の出題割合】
計算問題 約4割
論説問題 約6割
最近、合格率が低くなっている科目です。
以下、ポイントを押さえて確実に合格を目指しましょう!
- 効率よく法令を覚えること
⇒丸暗記はやる意味が無いので、ポイントを確実に押さえて暗記する - 出てくる数字は確実に覚える
⇒全て暗記できるようにする。似たような数字と混同しないように整理しておく - 計算問題対策を確実に解けるようにする
⇒確実に得点できるように過去問や参考書を徹底的に押さえる

法規に関しては、合格率が低下していることもあり、覚える箇所の「抜けや漏れ」が無い様に、余裕があれば2冊目として、他シリーズの参考書で勉強することを推奨します。
勉強方法 過去問編
過去問の勉強目的
過去問の勉強は「何年分」するかを決め、その年数分することを1周目とします。
例えば、10年分するのであれば、10年分が1周分となります。
私が推奨しているのは、10年分の最低3周以上です。
※10年分する時間が無いのであれば、5年分以上を3周
各周での「勉強の目的」を以下のように、しっかり持って勉強する事を推奨します!
目的を持って勉強することで、今自分が何をしているのかを意識しながら勉強が出来ます。
その方が勉強には効果的です!
1周目の目的
今の実力を確認し、間違った問題は解説でなぜ間違ったかを理解する。

1周目は、参考書をやってきた事がどれ位身についているか、実力を試します。分からなくても、まずは一通り問題をやってみましょう。30点とか40点でも気にしなくても良いです。間違った問題は、解説を見てしっかり理解しておきましょう。
間違ったところは、印をつけておくことが重要です。2周目以降も同様に印をつけ、自分の弱点となる問題を把握しておきましょう。
2周目の目的
1周目で間違ったところが理解できているか意識して問題を解く!
2周目も間違った問題は徹底的に理解する。

2周目は、1周目とは違い、再び間違った問題は「何故、間違えたのか!」「何故、このような答えになるのか!」を徹底的に確実に理解することに徹してください。
「どうしても理解できない問題」があった場合、インターネットで調べたり、他の参考書を見たりと理解できる方法を探しましょう。そこまでして理解できなければ、その問題はあきらめて捨てましょう!
3周目以降
弱点を克服するため、より理解を深める!

すでに簡単に解ける問題は飛ばしても問題ありません!
間違いやすい問題や弱点の問題は必ず解けるように繰り返し復習しましょう!これらを続けていくことで、相当の実力が付きます!
勉強の流れ
過去問で勉強する流れは、
- 問題を解く
- 答えあわせをして、間違った問題をチェック
- 間違った問題を解説+参考書で理解に徹する参考書を理解する
これの繰り返しを行います。
上記の繰り返しで勉強し、しっかり理解を深めていってください!

こちらで電験3種におすすめの過去問を紹介しています!
勉強方法
1.基本
上記の繰り返しになりますが、「過去問の勉強目的」をしっかり持って勉強していきます。
- 問題を解く
- 答えあわせをして、間違った問題をチェック
- 間違った問題を解説+参考書で理解に徹する参考書を理解する
2.常に試験環境と同じように勉強する
試験時に使用する電卓を使って計算を!
普段から電卓は使い慣れておきましょう

こちらで電験3種におすすめの電卓を紹介しています!
3.時間を計る
試験時間は、法規以外は90分、法規は65分です。
常に試験時間を意識して過去問を解くことで、時間感覚を養います。

時間内に終える必要はありません。
タイムオーバーしてもそのまま続けて問題を解きましょう。
あくまで試験時間を意識することが重要です。